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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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切子の作り方と工程を職人が解説!初心者向け江戸切子体験のコツも kiriko work

切子の作り方と工程を職人が解説!初心者向け江戸切子体験のコツも

切子工房 箴光>切子の作り方と工程を職人が解説!初心者向け江戸切子体験のコツも


切子(江戸切子)の制作における割付、粗ずり、石掛け、磨きの4つの基本工程の流れ

全体像を説明すると割付、粗ずり、石掛け、磨きで完成します。



切子体験を予約して後日体験予定でどんなカットが出来るかわからない人はここをクリックして下さい。(ページ内リンクです)

初心者向けのカット




「体験教室じゃなくて継続的に切子を自作したい!

という方は「切子の自作に関する考察」のページをご覧下さい。





伝統的な江戸切子の技術での作り方を簡単に説明すると以下の通りです。

1.割付(わりつけ)→目印をマーカーで書く。

2.粗ずり(あらずり)→粗く削る。

3.石掛け(いしかけ)→表面きめ細かく削る。

4.磨き(みがき)→光沢を出す。

※のちほど各工程をしっかり説明します。



動画で見る
職人の技を20秒に凝縮!
割付から光沢が出るまでの変化をのぞいてみてください。










簡単にもう一例です。

上が石掛けという作業中の写真です。

グラスの表面にマーカーで書いた座標に従ってカット中です。

石掛け工程中、グラス表面を加工している様子

石掛けの後にカットした場所を1か所ずつ磨いて下の完成品の写真になります。






こちらはrememberという100作品目記念作品の製作過程をグラスの上から撮影したものです。

製作過程にある切子グラスを真上から撮影した詳細図

徐々にカット量が増えていくのが面白く見えますよね。





今見せたrememberもこの作品群の左下にございます。

切子工房箴光の職人が伝統的な江戸切子の技術で製作したオリジナルデザインの切子グラス

物によっては先に一部をカットして磨いてから、他の部位を削ることもあります。



それは作品のデザインによって工程をどうするかは変更します。



一部だけ磨くことは、一か所ずつ「手磨き」という江戸切子の伝統的な手法を用いて磨いているからできる方法でもあります。





執筆した切子職人の自己紹介

公益社団法人日本工芸会所属の独立切子士である斉藤光。彼の言葉で切子(江戸切子)の本物と偽物の見分け方を直接専門家の視点で解説します。

切子工房 箴光(しんこう)を代表します独立切子士の斉藤光(さいとうこう)と申します。


江戸切子の工房で修行してから独立し、「公益社団法人 日本工芸会」という人間国宝の先生が所属する団体に、正会員2名に推薦を受けて所属しております。


営業担当や外注して記事を書くライターではなく、このホームページ自体を切子職人である私自身がプログラミングして文字を入力しております。





切子の作り方、切子の製作、製造工程など呼び方は色々あると思いますが、切子が出来るまでの工程を、深いところまで触れながら切子職人自身の言葉で詳しく解説していきます。




当工房ではこういう切子を作っておりますが、その製作過程を追体験していきましょう。

江戸切子全製品一覧
製品一覧




当工房では
江戸切子の伝統的な製法を継承した切子作りをしております。

※薩摩切子の伝統的な製作工程ではございません!



製作過程を紹介しますので、理解を深めて楽しんで頂ければと思います。






簡単に全体の流れの解説



まず最初に大きく作業工程の流れを簡単に紹介します。


1.割付

グラス表面にマーカーで描かれた割付(設計図)の様子

マーカーでガラスの表面に座標、グラフを書きます。





2.粗ずり

粗ずり工程で、ダイヤモンドホイールでカットを刻む様子

座標やグラフに基づいて粗めにカットをします。

紙ヤスリで粗いものから使用していくのと同じことです。





3.石掛け

石掛け工程による最終仕上げカットの様子

本物の石を使って最終仕上げのカットをします。

この時点でカットが完成します。





4.磨き

伝統的な手磨き工程によって光沢を出している様子

カットした線の1本1本を時間をかけて磨いていきます。

伝統的な手法である「手磨き」という方法を大切にして製作しています。




これで完成です。







仕入時検品



カットする前にまず最初の簡単な作業として仕入れた素材の検品をします。


箱から出して、タオルで表面のホコリを拭き取って写真のようにその場に並べます。

仕入れたガラス素材を光に透かして検品する前に並べている。
仕入れたガラス素材を光に透かして検品する様子

次に光に透かして検品します。



素材自体に個体差がある


ガラス職人さんが人間の手で作っている物なので、個体によって色が濃い物や薄い物の微妙な差異があります。


色被せが濃い生地が適している製品、色被せが薄い生地が適している製品も存在します。


それも含めてこの時点で仕分けをしておきます。








切子をデザインする工程



デザインを考えるときはコップの口元の直径から円周を計算します。

グラスの口径を測定し、デザイン計算を行う様子

円周からどれくらいの文様が全体にどれだけの割合で収まるか考えます。




実際にカットできるデザインなのか等、様々な要素を考えながら理詰めで構築していきます。





デザインを考える時間



1つのデザインを考えるのにも相当の時間が必要です。


1日8時間くらいでデザインが完成することもあれば、1週間悩んでも納得いかずノックアウトされて床に倒れて放棄しかけることもあります。



脳が疲れて、本当に床に寝転んで、ボーッと天井を見つめて「今日の夕ご飯は何にしようかな」と現実逃避することもあります。





そのデザインの苦労は言葉で語らずとも、私の作った作品の美しさが証明してくれていますよね?

切子工房箴光の職人が伝統的な江戸切子の技術で製作したオリジナルデザインの切子グラス





私は、自身の純粋な発想から作品を産み出すため、他の切子職人の方の作品やSNSなどの情報は一切目に入れないようにしています。



自分軸でデザインを考えて創作しているので、独立して何年も経ちますが、誰がどういう作品を作ったとか5年以上はほぼ98%全く知りません



1つのデザインに1週間悩み抜くような、目に見えない生みの苦しみと計算があるからこそ、私の作品には真似のできない唯一無二の美しさが宿ると自負しています







現在、当工房では日本トップクラスの製品が存在し、その各々について相当のデザインの時間を費やしてきました。



累計どれくらいの時間がかかったかは怖いので振り返らないことにしています。





現状製品の数は1つの切子の工房が持つ製品数で考えたら全国的にも類を見ないほどかなり多い方です。



一般的に過去にカットしたデザインを江戸切子職人が順に忘れていくので、同じカットをできなくなる現象があり、それが原因で1つの工房内で持てるデザインの数の上限が決まってくるような状態です。





例えば、以下のような手の込んだ1点もの系の作品も、私は作り方を忘れることは無いので10年後でも全く同じ状態で過去の200作品を再現できます。


「五菊繚乱天開ロックグラス」

切子、五菊繚乱天開ロックグラス、最高峰のカット密度を誇る江戸切子の技術が詰め込まれた自社工房製の有名なロックグラス。



作品の数が多いので、お気に入りのデザインがきっとみつかるかと思います。





作品の多さを実際に見てみましょう。
江戸切子製品一覧







デザインの方向性は数学的



グラスの形状から逆算してデザインを考える」という手法は手間がかかり、大変です。


切子職人の中でももしかしたら私だけがやっているデザイン方法かもわかりません。





一般的には「こういうデザインを入れよう」という感じで、ガラスに直接好きな絵を書いていきます。


※例えば、思いつきやすいところで言えば、富士山、ハート、魚、葉っぱ、桜。





その絵をベースにデザインの寸法を決めていくのが楽なので、通常はそういうデザイン方法になります。


多分そのデザイン方法の方が手間がかからないので一般的で、私の寸法から逆算でデザインを決めるのは全国でも多分私しかやっていません。





しかし、傑作を産み出したと自分で感じる場合は前者のように最初に全てを計算してから製作にとりかかった場合の方が圧倒的に多いです。

デザイン設計のためにロックグラスの口元の直径から円周を計算している様子

何かをモチーフにしているわけではなく、数学的な曲線と直線の美しさがあります。





上のような大枠のデザインに優れたものが完成した時は嬉しいですね。

数学的な直線と曲線の美しさを表現した、切子工房箴光のBe天開ロックグラス
Be天開ロックグラス




製品ページで作品をみてもらえればわかりますが、桜だとか魚だとか明らかにその形状を削った作品はありません。



方針として切子の美しさは数学的な構造の中にあるのではないかと推定しながら製作しております。





切子職人紹介ページで私の詳細な自己紹介をしておりますが、高校生の時はクラスで成績1位で、数学も最高評価でした。



今後も他の職人が絶対にやらないsin(サイン),cos(コサイン),tan(タンジェント),log(ログ)などの三角関数や対数を意識した作品なども作っていきたいと思います。


こうやって育った環境で切子職人ごとにデザインの発想力の幅がかなり違うのが面白いですよね。





数学的なアプローチを主体としますが、私はみなさんがイメージするような頑固な職人ではありません。


自分が考える世界の外側のものが案外良く感じたり、年数が経過して感じ方が変わったりなど往々にしてあります。


出来るだけ広い視野で色んなデザインに取り組んでいます。


例えば、上の理論にとらわれないアート的、感覚的、女性的なデザインも作っています。

伝統技法をベースに細部まで緻密なカットを施した最高峰の創作ロックグラス

  幾何学模様をベースにした、一点物の江戸切子グラス、箴光式籠目天開ロックグラス
箴光式籠目天開ロックグラス
 幾何学模様をベースにした、一点物の江戸切子グラス、ハーベスト天開ロックグラス。
ハーベスト天開ロックグラス
 幾何学模様をベースにした、一点物の江戸切子グラス、ストリームタンブラー
ストリームタンブラー
  幾何学模様をベースにした、一点物の江戸切子グラス、芸術ロックグラス
芸術ロックグラス





江戸切子の伝統的な手法の中に何かのモチーフを削る「花切子(はなぎりこ)」という分野も存在します。



江戸切子の工房の修業時代に、先輩が金魚の花切子をしておりましたが、とても見事な作品で私にはできないことだなと今でも印象深く心に残っております。



今後何年経っても、あの金魚の凄さを私は越えられる自信がありません



これからも越えられない壁として、ずっと当時の先輩の背中を追い続けていくことになると思います。






職人の作るデザインにはそれぞれ長所があります。



誰かが得意なデザインは、誰かにとっては苦手だったり、誰かにとって当たり前のように産み出せるデザインは誰かにとっては絶対発想に至らないこともあります。



多くの職人が居れば、切子の作品には多様性があり、消費者からすれば選択肢が増えることなのでとても良いことです。




私の作品の個性、長所、強みとして、数学的な部分をベースキャンプにして作品作りをし、世の中に提示していきたいと考えています。



デザイン案が完成したら、実際にグラスの上に設計図を書く作業に入ります。







割付け、割出し(わりつけ、わりだし)の工程

ろくろに設置したグラスにマーカーで線を引く割付作業

次に割付けという作業を行います。


紙の上で二次元で構想した設計図が三次元でもうまく収まるかという部分を試行します。


ろくろのような回転する作業台に色被せガラスを載せてマーカーで縦横に線を引いていきます。




線の量を減らす



マーカーを引いたものは以下のようになります。


基本は縦横の線だけです。


カットが複雑で混乱するデザインのものは、斜めの線も書いておきます。

粗ずり工程で、グラスの内側から線を確認しながらカットする様子

線を書く作業時間が増えるとだんだん採算が取れなくなってくるシビアな世界です。






出来るだけ斜め線を書くという作業は減らすように努めます。


例えば、斜めの線を増やして1個の割付の時間が2分増えたとしましょう。


これを何ヶ月かで200個作って下さいという状況になったら、たったの2分だと思っていたものが累計6時間40分のロスになったりします。






こういうロスが積み重なると年間で何日単位で作業が遅れてくるという状況になるわけです。


切子作家のように1つのものに際限なく時間をかけて作品を作る場合はこの話は関係ありません。







割付=グラフを書く



「ガラスの表面に縦横の線を引き、座標となる目印を決める」というものです。


感覚的には数学のグラフを作るのと同じことをやっています。


例として、以下の数学のグラフをご覧ください。

江戸切子 割付

上のグラフは
・y=2x
・y=-2x
・y=1/2x
・y=-1/2x
を書いたグラフです。


4つの数式でなんとなく模様になっていると思います。




切子はこれをガラスの上でやるために、縦横に線を引いています。


それが割付という作業です。





表面積に合わせて調整



ガラスの形状ごとに表面積の大きさは全く違います。

江戸切子、キャンパスの広さ

私はキャンパスの大きさと呼んでいます。

(私が勝手に呼んでるだけなので、一般的と思わないでください)



同じようなデザインでも展開図を書いた時のキャンパスの広さが全く違います。



紙の上で二次元で計算したものが、すんなり入るかと言えば入らなくて困ってしまう場合が多いです。


実際に書きながらデザインを調整していきます。





コップ状の計上のものは口元が広く、底の方がすぼまっているので、グラスの形状ごとに寸法を再計算しないといけません。


1ミリずつ調整しながらベストなデザインになるように、かなり精密な調整の割付けを行っています。


個別の作品ページにはこういった製作過程、製作秘話も載せていますので読み物として楽しんでいってください。







粗ずり(あらずり)の工程

切子職人の斉藤光が実際にカットしている姿




割付のグラフの座標を目印にして、ガラスを透かして内側から覗きながら目の粗いダイヤで削ります。

粗ずり工程完了後の、カットが入ったグラスの状態

内側から透かして座標を目印にカットします。


この写真の場合、色被せが薄いので割付の線が簡単に見えて非常に楽です。





見えない場合「勘」で削る



二重構造のガラスの素材はガラス職人さんが作っているものなので色が濃いものもあり、差異があります。


割付の線がほぼ見えなくなることもあり、その場合は「」で削ります。





それでも問題なく削れるのは今までの過去に練習してきた自分が居たからだと思います。


カット時の手首のひねり具合で大体どれくらい削れているのか予測します。


何千回も同じカットをした自分の手の感覚を信じて削ります。





ガラスの表面に書いた2mm幅のマーカーの線も仕上げのカットをする際には太すぎます。


マーカーの線は目安程度にし、最後の1mm以下の細かい調整も職人の勘で削っております。







場所により太さを調整



うっすら削って目印をつけるだけの筋を入れるという場合もあります。


しかし基本的にはかなり多めに削り大体の形をこの時点で作ります。

粗ずり工程完了後の、カットが入ったグラスの状態

底から伸びる太いカットとは違い、側面の繊細な調整が必要な部分は筋を入れるだけにとどめています。


粗ずりをしっかりやっておかないと仕上げで削る時間が尋常じゃなく増えます。


採算が取れなくなって廃業してしまうので、しっかり削っておく必要があります。







石掛け(いしかけ)の工程



本物の石を使って仕上げを行います。

石掛けに使用する伝統的な砥石

技術的なことになるので詳しくは言えませんが、石を加工して切子に使えるようにします。


他の工房では仕上げの前に「三番」という中くらいの目の粗さで削る工程が入ります。



しかし、私の場合は三番を使う場合は限られていて、仕上げの石で仕上げる場合が多いです。





石掛け=光沢が出る



工房によってはカットの最終工程に石掛けを行わない工房も多くあります。





当工房では石を掛けた方が最終的に磨いた時の光沢が綺麗になると考えております。


伝統的な作業方法でもあるので先人の知恵を大切にし、石掛けを行って仕上げております。


やはり伝統的な製法ってのは理由があって、そういう手法になっているというのを自身の経験としてとても感じますね。








1mm以下の世界



仕上げでカットの全てが決まるので、慎重に削っていきます。


1ミリ単位以下での精度が必要になってきます。


とにかく私はよく目視をします。





感覚的には大体0.5mm程度の誤差内で調整できれば綺麗に見えるという感覚があります。

石掛け工程で、0.5mm単位の精度でカットを調整する様子

色被せによって、実際にカットして見えている範囲とカットし終わった後に実際に削れている範囲が違います。




色被せの濃さによってその差異が変わります。


色が濃いなら内側から見てだいぶ手前でカットを止めないと外側から見た時にカットが食い合ってしまいます。


そこらへんは職人の勘でカットの長さを調整していきます。






工芸品に共通する「味」



色被せの厚みによってカット面が全く見えない部分を職人の感覚で削って調整しているものです、


なので、多少の寸法の誤差(とはいえ1mm以下程度)が発生する場合もあります。


切子が手作業で作られているという「味」の部分になってきます。





個々の製品によって素材の色の濃さも違えば、カットの微妙な調整も違います。


全ての製品が同じではないという点も含めて工芸品を楽しむものだという風潮がありますのでご理解頂ければと思います。

工芸品の味

私自身も20歳からの趣味で全国の工芸品集めをしております。

全47都道府県に行きました。上はコレクションの一部です。




石掛けの作業は粗ずりに比べて切削速度が遅く、かつ製品の最終的なカットを決める慎重な工程です。


粗ずりと同じ部分をカットしていくとは言え、その作業時間は段違いで違います。


深呼吸が度々入るくらい集中力が必要です。

石掛け工程が完了し、カットが整った状態

石掛けが終わったもの。

これを磨いていきます。







磨き(みがき)の工程



当工房ではカット技術もそうですが、江戸切子の伝統的な手法である手磨きによってカット面を磨いています。



手磨きの技術



江戸切子の工房での修業時代に教わった「手磨き」という伝統的な製法を大切にして当工房では生産しております。


「酸磨き」という大量生産が可能な利益追求型の製法もございますが、これもやはり伝統的な製法ってのは多くのメリットがあって先人の方たちが選択してきた作り方というのを思い知らされます。


過去200年くらいの日本人が積み上げてきた人類の英知を感じます。





1個ずつ、1か所ずつ丁寧に磨いていきます。


「酸磨き」に比べて非常に時間がかかりますし、機材の費用も多くかかります。






写真の通り、カットの線を1本ずつ磨いていきます。

手磨き工程で、カット面を1本ずつ丁寧に磨く様子

磨いていないところはすりガラス状になっていますよね。





カット技術に加えて手磨きの技術も工房ごとに大きなレベルの違いがあり、工房ごとの技術力が出来上がりのクオリティに直結します。





概ね手磨きを行っている江戸切子の職人は他の工房の総合的なレベルを見る時はカット技術よりも「磨き」の方を見るのではないでしょうか。


酸磨きに比べると非常に生産性が悪いですが、ガラスの強度が保たれて出来上がった時の品質が良いです。





修業時代に師匠に「手磨きの技術は大切にした方がいいよ」とよく言われたもので、当工房では修業時代に引き続き、手磨きによる磨きを選択しております。


カットしていない色被せ部分の色が落ちず、強度も保たれます。


生産する側は大変ですが、ユーザーにとっては良いことしかありません。








値段を抑える取り組み



手磨きによるコスト増加分によって値段が大幅に上がらないように、

・店舗を持たないこと

・ホームページを自作

・自分で経理システムを作成

・税理士を雇わない

などの製品自体以外のところでの様々なコスト削減を積極的に行っております。





別の工房にお伺いする機会がありましたが、そこのトップの人に当工房の切子の値段を見せたら「このカットでその値段は安いね」とボソッとひと言おっしゃってました。

江戸切子製品一覧
製品一覧


どの工房がどういうものを作ってどの値段で販売するかは自由で、私達がどういうものをいくらで購入するかも自由です。



ただ色んなことを知った上で、みなさんにとってより良い選択ができることを願っております。






磨き終わると下の写真のようになります。


磨き終わった後のこのテカテカとした光沢が魅力です。

磨き工程完了後の、光沢が際立つカット面

光に当たるとキラキラと光るので初めて見た人はきっと感動すると思います。


私自身が初めて江戸切子に出会った時にたまげたので、同じような感動を多くの人に味わってもらって、切子を通して人生の楽しさを少し感じてほしいと思っています。





日本トップクラスの磨き



磨きは日本でも最上位クラスかと思います。


磨きの技術で銀座の一等地の超一流のバイヤーの方を驚かせて、飛び込み営業でしたがデパートに作品を置いてもらえるという出来事もございました。


なので、金額だけでなく、品質の高さについても驚いてもらえると思います。


ぜひ日本トップクラスの磨きを体感してください。

上から覗き込んだ際に見える磨き込まれたカットの反射





上からのぞいた時。

切子(江戸切子)グラスの底面に施された磨き加工





底の形状。

完成したグラスの輝きを確認する検品作業

写真だと光沢感が上手に伝わらないのがもどかしいですが、実物の方が圧倒的に美しいです。


ご購入されたお客様が、作品が到着してからわざわざ「想像以上の作品でした」と感謝のご連絡を頂くこともかなり多いです。



磨きの技術は江戸切子の工房ごとに隠している秘伝の技術なので、中国製の安価な模倣品ではここまでの光沢を出せることはまず無いはずです。







完成時検品の工程



最後に磨き終わった後の切子を検品します。


本当に磨けているかどうかは実際に磨きを何年も続けてきた職人にしか判別できません。

平磨き加工部分を光に当てて品質を確認する様子

平加工をした部分を磨いて光に照らして確認している時の写真。


口頭では伝えられませんが、この写真の状態は磨けていません


一般の人が見てもわからないと思いますが、私の目で合格になったものしか世に出しません。





一般の方に見せてもまずわからないので、良し悪しを皆様が店頭で見極めることは不可能です。






私も修業時代に師匠や先輩に教わりながら磨けているかどうかの見極め方を教えてもらいましたが、初見の時は何回見ても全くわかりませんでした。



ボールペンで磨けていない箇所を示しながら、「ここだよ、ここ」と言われながら見ましたが、何が違うのか本当に全くわかりませんでした。



「先輩すいません、磨けているかどうか本当に全くわからないので、俺多分江戸切子職人になるの無理かもしれないです」って当時は心の底からよく言ってました。





感覚的には先輩に「目の前に透明人間いるじゃん、ほらそこだよ」と言われているのに、自分には透明人間の姿が見えないという感覚に似ています。





そんな私でも、ある時から急に透明人間がハッキリ見えるようになったので、面白いですよね。







磨きの品質=ブランド


磨きの根底が崩れることは、当工房のブランドの崩壊を意味します。


磨きの品質を維持することに関しては気が気ではありません。


磨けていないものを見ても一般の人にはわかりませんが、それを見た後に、本当に磨けているものを見た時は一般の人にも品質の高さに気付くと思います。


多人数で働く江戸切子の工房では、検品作業は一般的に新人に任せたりする場合も多いです。


しかし、当工房では実際に下積みで「磨き」を何年も行ってきた自分自身の目で検品することを大事にしています。



先ほどの例で言うと、新人に検品を任せても透明人間が見えていないことが結構あります。








最後に作業を通しで画像を載せておきます。

切子(江戸切子)の制作における割付、粗ずり、石掛け、磨きの4つの基本工程の流れ

通しで見ると作業ごとに大きく変化していってるのが理解出来ると思います。






梱包、発送



製品が完成したら、梱包をして発送します。

まずは純白紙で切子製品を包みます。
次に緩衝材を桐箱に詰めます。

こんな感じで品質が高い桐箱に製品を入れます。






また包装に桜色の不織布を使用して梱包します。

包装、桜色

様々な場面での使用や、センスの良さを考慮して桜色となりました。






梱包した桐箱に納品書、名刺、蛇腹のパンフレットを同梱して発送いたします。

納品書、名刺、蛇腹のパンフレットを入れます。





ヤマト運輸は破損保障があるので、運送時の破損のトラブルを無くせるのでヤマト運輸60サイズにて発送しております。



こういう工程を経てユーザーの元へと製品が届けられます。




こういう工程を知った後に作品を見ると、多分何も知らないより切子の作品を面白く見れると思いますよ。






製作背景を知った上で、作品を見てみましょう!
江戸切子全製品一覧







これで以上となります。











初心者向けのカット



切子体験、江戸切子体験を後日に控えていて、どんなデザインのカットが出来るか事前に少し知りたい人のために解説記事を書くことにしました。


概ね1回の体験時間は2時間くらいではないでしょうか。


最初に説明等があり、最後に片付けなどの時間があると思うので、実質のカット時間は1時間30分くらいになるでしょう。


製作時に保護メガネ、保護ゴーグル、マスクは必要ありません





カットの体験なので、磨きは無く、すりガラス状の仕上がりでお持ち帰りになると思います。


場所によっては磨いてくれるところもあるかもしれませんが、基本は磨きは無しのはずです。





切子体験は1回きりの体験を想定しており、何回も通ってアマチュアとして技術を上げたいという人は「江戸切子教室」の方になります。



切子体験の予約に毎週予約を入れて技術を上げようとした方がいて、困ってしまったという話が江戸切子の工房の修業時代に実際にありましたので、ご注意ください。






カット時の力の感覚

削るときにグラスを持ちますが、みなさんが普段コップを手に持つくらいの力で持って回転している刃に当てます。


初心者は指先だけで持つとやりやすいと思います。


グラスを刃に押し当てる力は、私の体感だとみなさんが普段ハンコを押すときにグッと少し力を入れて押すくらいの力に近い気がします。


刃に当てるときにビビッてフワッとした力で当てるとカット面がぶれます。


緊張しても少し力を入れてグラスを刃に押し当てるとといいでしょう。

江戸切子体験にて、ライトを透かしてグラスの内側を確認しながらカット加工を行う様子
外側からライトを当てて光を透かして、グラスの内側を見ながら削ります。


回転している円形の刃に押し当てて、刃の弧の部分がグラスに食い込むことで削れます。





私自身が仕事で実際に削っている時の写真です。

日本工芸会研究会員に籍を置く新進気鋭の有名切子作家・斉藤光の工房作業。実力派の有名な切子作家。

左手はガッチリグラスを持ってますが、右手は指先でつまんでいますよね。


プロの世界では600個とか依頼が来て半年~1年削り続けることもあるので、指先だけでグラスを持つと、ばね指という指の腱鞘炎になります。


対策として、手全体で持って力を分散させることでばね指対策をしているだけで、精密にカットするなら指先で持った方が微調整が効きます。


なので、初心者の方は左手も指先で持った方がやりやすいと思います。




カットしたら貫通しないか不安かと思いますが、切子や江戸切子のガラスは若干厚みがありますので、貫通することはまず無いと思います。


特に底の方はガラスの厚みがかなりありますので、結構深掘りにしても貫通しません。


本当に100%近く貫通しないと思いますが、万が一貫通した際も「バリーン!」と割れるわけではありません


「シュルシュル」と小さい音で貫通部だけポロポロ取れていく感じなので、けがをする心配は無いです。




カットの向きによる難易度の変化

カットは以下の順に難易度が高くなっています。


底のカット、ペーパーウェイト等の平面に対するカット(やさしい)

縦のカット(やさしめ、ガイドの線が必要)

斜めのカット、Y=Xのカット(かなり難しい)

横線のカット(激ムズ、初見ではほぼ無理)

江戸切子体験でのカット難易度を解説する図解(底・縦・斜め・横線の難易度比較)

という感じです。



縦に近いほど簡単なので、Y=XよりかはY=2Xの方が縦に近くて簡単という理論です。

Y=1/2Xも非常に難しいのでやらない方がいいです。

江戸切子のカットにおける難易度を数学的な関数のグラフ(Y=Xなど)を用いて説明する図解


中学生の方は、こうやって学校で勉強したことが仕事でも結構登場する場面が思ったより多いので、ちゃんと勉強しておくと将来周りの人が「いいね!」って結構言ってくれますよ。




自分でデザインを考えるときも縦線寄りのデザインを考えてから江戸切子体験に臨んだ方が良いです。


難易度の低い物からカットしていくとコツを掴めると思うので、まずは底から削ると良いです。


これはペーパーウェイトに伝統的な文様である16枚の葉を持つ菊をカットした作品です。

初心者が底にカットを施した「8枚葉の底菊」の完成例

切子職人的には基礎中の基礎というカットで、最も簡単なカットの部類ですが、初心者が初見で16枚の葉を削ることはまず不可能です。


これの半分の8枚の葉の底菊を削るのが良いかと思います。





まずは十字にカットし、そのあとに中間をY=Xが通るようにカットすれば8枚の葉を持つ底菊の完成です。


注意点は以下の通りです。
江戸切子体験におけるカットの注意点と、縦線のガイドラインに関する解説図




縦のカットは比較的簡単ですが、下の写真のようにマーカーで正確な縦の線のラインが無いと左右にブレがちです。

縦線のガイドラインを正確に引くための練習の様子

プロの世界では正確に縦にマーカーをかける道具を使用しますが、正確に書くには道具の訓練(修業)が必要なので、切子体験では使用することができません。


もし、縦の線をカットしたいと思ったら目見当で丁寧に手書きで縦のガイドラインを書くと良いです。


ただし、丁寧にガイドラインを30分くらい書きすぎてカットする時間が1時間くらいしか取れなかったとなっては本末転倒です。


江戸切子体験は基本予約で埋まっており、次のお客さんが待っているので、カットの時間が足らないからと言って延長してカットすることができません


時間配分をよく考えてテキパキとカットを入れていくことを心がけると良いです。


体験に行く前にある程度自分の中でカットしたいデザインを考えておくとグラスにマーカーで悩みながら書く時間が減って、カット体験の時間が多く取れます。




初心者ができる一番おすすめのデザイン


初心者は下の黒丸のいわゆる「星(ほし)」を削るデザインがわりとできるかもしれません。


むしろ多分それを体験の指導する人にもおすすめされると思います。

江戸切子体験で初心者でも挑戦しやすい「星」模様のカット例

刃を定点で当てて、直線距離が少しずつ広がっていく感じで削ることができます。


縦線でも斜め線でも横線でも、グラスを回転させて動かしながらカットするのが初見では非常に難しいです。


グラスを動かさず、刃に押し当てるだけで上の星は作れるので、比較的作りやすいです。


また上の星の場合でも底のカットと同じように縦→横→斜めの順にカットすると削りやすいと思います。




先ほど見せたぐるりと一周長い横線で削るような輪っかのカットは激ムズで、ミスってぐちゃぐちゃになると思うので、絶対にやらない方が良いです。


あとは、何かをモチーフにしたデザイン(富士山、葉っぱ、桜など)は多分非常にぐちゃぐちゃになるのでやらない方がいいかなと思います。




先ほど見せた縦線ベースの作品でもデザインとしては完成されています

縦線をベースにした等間隔で均等なカットが美しい、プロによる創作ロックグラス

ロックグラスは縦にカットをいれたシンプルな作品ですが、デザインとしては200作品デザインしてきたプロの私の目から見てもかなり完成されています




等間隔で均等にカットを入れると見栄えが良くなるので覚えておいてください。



カットする難しさを知りたいという人はガイドラインとか書かずに時間目いっぱい色々削ってみると良いと思いますが、少しでも良い物を作りたいという人は上の内容を把握しておくと幾分良い物が出来るかと思います。






良いものを作って誰かに贈り物にはできないかも

良いものを作って誰かに贈り物にしたいと思っても多分難しいと思います。


それを期待して江戸切子体験に行くとガッカリしちゃうかもしれません。


江戸切子体験で削ったグラスは自分で使うものとして考えた方がいいかもしれません。


江戸切子体験の値段に少しプラスのお金で当工房の場合、このようなロックグラスが購入できます。

熟練の職人による精巧なカットが施された「底消し玉矢来」のロックグラス

別のページにも書いてありますが、私がアマチュア時代に趣味で4年間江戸切子教室に通っていましたが、累計作業時間244時間、かかった金額は50万円です。


アマチュアでそれくらいの時間とコストをかけてようやく人にプレゼントできるかな?くらいの物が作れるようになります。


自分でやろうとすると50万円、プロに任せるとそれを1万円以下で買えるので贈り物を考えている場合は素直にプロの物を購入して贈った方が「時間と労力、コスト、仕上がり」が良いと思います。




まとめ
底と縦線から削ってみよう!



デザインの参考になるかもしれないので、当工房の作品も見ていってください。



プロのデザインを確認してみる
切子、色、瑠璃、赤、銅赤、緑、青紫、青、





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切子工房 箴光

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