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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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磨きの技術polish technology

伝統の技「手磨き」の技術

切子工房 箴光>伝統の技「手磨き」の技術

江戸切子、手磨き

江戸切子の伝統的な手法の手磨き。


その技術について消費者にとってどのくらい魅力的かを職人の方から直接語っていきたいと思います。


当工房で行っている磨きの技術についてぜひお客様にお伝えしたいと考えています。

カットの技術以上に磨きの技術が重要と考えております。

ゆえに個別にこのようにページを作ることにしました。


執筆した切子職人の自己紹介

公益社団法人日本工芸会所属の独立切子士である斉藤光。彼の言葉で切子(江戸切子)の本物と偽物の見分け方を直接専門家の視点で解説します。

切子工房 箴光(しんこう)を代表します独立切子士の斉藤光(さいとうこう)と申します。


江戸切子の工房で修行してから独立し、「公益社団法人 日本工芸会」という人間国宝の先生が所属する団体に、正会員2名に推薦を受けて所属しております。


営業担当や外注して記事を書くライターではなく、このホームページ自体を切子職人である私自身がプログラミングして過去の実体験などを入力しております。






手磨きと酸磨き


当工房はガラスを全て江戸切子の伝統的な手法である「手磨き」で磨いております。


カットした部分を1か所ずつ丁寧にピンポイントで磨いていく伝統的な作業方法です。


生産性は高くなく、大量に作れる作業方法ではありませんが、ガラスの強度を保ったまま高品質に仕上がるのが特長です。


先人の知恵、伝統的な手法を大切にした物作りの方法です。


江戸切子の工房で修行していた時の師匠も「手磨きの技術は大切にした方が良いよ」と仰っていて、磨きの技術に誇りを持っていたように思います。





工房ごとにこの手磨きの技術により仕上がりが顕著に変わります。


いわば企業秘密の部分にあたるため、ざっくり紹介はしていても詳細を公開している工房はまず無いはずです。



色んな工房のインタビューとか見てもらえればわかりますが、カットについては結構詳しく教えているところもあるかもしれませんが、磨きの技術についてはフワッとしたことしか書いてないはずです。





多分、江戸切子の職人さん達はカットの技術よりも磨きの技術に比重を置いて良い仕事をしているかどうか判断している人も多いのではないでしょうか。


世の中には色んな切子製品がありますが、カット面を見ると「おいおい、これで販売しちゃまずいだろ」的なクオリティの磨きの製品も相当数流通しています。


やっぱりちゃんとしているところの工房は磨きが綺麗なので、店頭で他の工房の作品を見てても良い仕事をする工房なのかどうかはすぐにわかります。




私から見てもカットのデザインが優秀で磨きのクオリティも高くて、「この工房は本当に良い仕事するなぁ、すごい」といつも関心させられる江戸切子の工房もあります。


色んな現場にいって「お、この江戸切子はデザインも磨きもすごい」と思って制作のところを見ると、大体そこの工房の作品です。






一方で、生産性を上げるために大量生産で作れる「酸磨き」という方法もあります。


硫酸等の混合液の劇薬にガラスを漬けて表面を溶かすという方法です。


なんとなくわかると思いますが、カット面以外も酸でダメージを与えて溶かすので、ガラスの強度が落ちるほか、色も落ちて薄い色になります。




クリスタルガラスという素材に使用されています。


クリスタルガラスも手磨きによって磨くことは可能で、修業時代の工房でも手磨きで磨いておりました。


しかし、ガラスの硬度が高く、磨くのに通常のソーダガラスに比べて3倍くらい時間がかかり、採算は全く取れていませんでした。




なので、一般的には酸で溶かすこの作業方法が世の中では用いられています。
酸磨き



先ほども言ったとおり、酸磨きをした切子は色被せ部分がかなり薄くなり、ガラスの表面がもろくなります。





酸磨きを行っている切子はタワシで擦ると表面に傷がつきやすいのでスポンジ洗って下さいという表記があるはずです。

江戸切子、スポンジで優しく洗う





酸磨きの例ですが、上が赤で下が瑠璃です。
酸磨きの江戸切子

この薄い色を見れば一発で酸磨きかどうかわかるのですが、金赤、青という色が酸磨きをした銅赤と瑠璃の色に酷似しており、一般の方が見分けるのはなかなかに難しいという状況になっています。





一方、当工房の手磨きの切子をご覧ください。
100作品目記念作品のrememberロックグラスのペアグラス
100作品目記念作品。


色の濃さが全く別物だと理解できるかと思います。


これが本来のガラスの素材の色を残したまま製作できる手磨きによる切子です。


カット面のクリアと色被せ部分の瑠璃色や赤色の濃淡がハッキリ出ているのが魅力で、日本特有のカットグラスの美しさと言えます。






手磨きの場合、表面のガラスの強度は高く、タワシでゴシゴシ洗っても大丈夫です。

江戸切子、たわしで洗う

当工房の最終工程が終わった後に、実際に切子を最後洗う際に実際にタワシを使って洗っています。






手磨きの場合は山や谷の形を維持し、エッジが残って手触りが良くなるのも特長です。

ロックグラス一覧、江戸切子



江戸切子の世界でも手磨きをしている工房もあれば、酸磨きをしている工房もあります。


「江戸切子は手磨きしかしていません!」みたいなことでは無いので覚えておくと良いと思います。


磨きの手法の選択は切子生産時の重要な要素であるので、お店の人が知らないということはまずないかと思います。


購入時に強度的にクオリティが気になる人は聞いてみるのが一番手っ取り早いかもしれません。


当工房のように手磨きをしている工房は「手磨きをしています」と表記していることも多いかと思います。





酸磨きをすると手磨きの時間を無くせて、作業の半分を無くせるようなものなので、利益がとても出やすいです。



有名な大手の工房は知名度がありますので、酸磨きでも江戸切子が売れますので、ほぼ手磨きはしてません。



クリスタルガラスのみを選択している工房は「利益の出る酸磨きしかしないよ」という意思表示なので、覚えておくと面白いかもしれません。



この切子工房箴光もこうやってみなさんが記事を目にしているくらいなので、有名と言えば有名かもしれません。


しかし、「人の不幸(不義)で、ご飯を食べない」ということが根底に絶対の条件として当工房は運営しています。


いくら利益が出る構造になるとしても、私はその作業方法を選ぶことはありません。





人のためにならないとわかっていて自己の利益のために行動した場合、今まで育ててくれた両親や、学校の先生や、自分を信じてくれた人々に対して顔見せできないと私は思っています。



どっかで見たのですが「上等な人間は、常に御天道様に行動を見られている意識のある人」という言葉があって、私はその言葉が好きですね。



当工房では生産性が悪くても本当に良いものを皆様にお届けしたいと考えております。





手磨きの切子は、
・グラデーションが綺麗に映える

・山や谷のカット面(エッジ)がきれいに出る

・エッジが出ているので手触りが非常に良い

・ひっかき傷がつきにくい

・強度が高い
と、ユーザーにとっては品質が高くて良いことが多いです。



磨き道具は手磨き用の特注の機材を業者に依頼してそろえており、なかなかに大変です。



それでも当工房ではこのスタイルを大事にし、カット技術以上にこの手磨きの技術を第一に考えております。



お手に取って頂いた時の品質の高さは感じてもらえると思います。

江戸切子全製品一覧
製品一覧


磨きのエピソード



江戸切子の工房で修行していた当時、会長が


「うちの製品は磨きを大切にしてるから。磨きのレベルで言ったら日本トップクラスだよ」

とおっしゃっておりました。




江戸切子の工房の内部に居た頃は自分の行っている仕事のクオリティの比較対象を見たことがなかったので意味がよくわかりませんでした。


独立して外に出るようになって色んな工房の切子を見るようになりましたが、会長の言葉が今になって理解出来た気がします。





催事で展示してあった江戸切子を見た時も

「あれ?こういう催事に並ぶ江戸切子でも、これくらいの磨きのクオリティなんだ」
と思わず撮った写真があります。

デパートの切子

私の目から見て大体7割くらいしか磨けていないという感じですが、やはり工房ごとに磨きの差があるかと思います。






当工房では当時学んだ江戸切子の伝統的な磨きの技術を忘れることなく、本物の切子を皆様にお届けできるように努力して参ります。


江戸切子全製品一覧
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